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9月8日(現地時間)、 オフホワイト(OFF-WHITE) はブルックリン・ブリッジ・パークのバスケットボールのコートで、2025年春夏コレクションを発表した。マンハッタンのスカイラインが望める吹き抜けの会場には、晴天に恵まれた爽やかな秋空のもと、ゼイン・マリク、カミラ・カベロ、メアリー・J. ブライジなどのセレブリティが集結し、その華やかなラインナップはコレクションへの期待を膨らませるものだった。 ニューヨーク・ファッション・ウィークに参加するのはブランド史上初めて。 ヴァージル・アブロー の後任であるアート&イメージ・ディレクターのイブラヒム・カマラは、雑誌『Dazed』の編集長やフリーランスのスタイリストとして舞台裏で活躍してきたマルチタスクな人物で、アブローのビジョンを尊重しながら真摯にブランドをけん引している。 アスファルトに広がったのは、ニュートラルカラーに赤を効かせたアフリカンパレット。コレクションの出発点は、ガーナへの旅だったという。アブローの両親がアメリカに移住する前に暮らし、彼自身が何度もコレクションで取り上げてきたキーワードだ。 今シーズンのテーマ「DUTY FREE」には、アメリカのスポーツウェアとアフリカのカルチャーを融合するという試みが込められている。また、ミラノを拠点とし、パリで発表を行い、シカゴ出身のアブローが立ち上げ、ロンドン在住のカマラがブランドを率いるという背景にも重なる。この「DUTY FREE」の言葉は、服の一部にもあしらわれ、コレクションを印象づけていた。 ウィメンズのアイテムは、大胆でセクシーなスタイルに。トラックスーツやレオタードなどスポーツウェアをベースにした服は体にぴったりと密着し、女性らしい曲線を強調したカッティングを打ち出している。スカートはマイクロミニ丈の長さで、トップスのVネックのはおへそが見えるほど胸もとが深く開いていた。 ガーナの現代アーティスト、ナナ・ダンソは、自身のアートワークをブランドのアイコンである矢印のモチーフを交えたシンボルを描いた。ジャケットの裾に付けられたパネルや、アフリカのクラフトを取り入れた刺繍やハンドペインティング、アメリカを象徴する星の装飾は意外性がありながらも、全体的に統一感を生み、カマラの「編集力」の高さが表れていた。 夢見る人々が集う場所としてのニューヨークの、すべてを包み込むような精神を体現するコレクション。アブローの意志を受け継ぎ、ストリートウェアの定義を拡張するという使命に取り組むカマラのアプローチに今後も目が離せない。 ※ オフホワイト2025年春夏コレクションを全て見る。 Photos: Gorunway.com Text: Maki Saijo.

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