近年、イギリス各地で個性的な独立系書店が熱い支持を集めている。新たに創業する店も多く、書店ブームとも言える様相を呈している。イギリス書店協会(BA)に登録している独立系書店は、2016年の867軒で底を打ってから、ほぼ右肩上がりで増え続け、2023年末の時点で1063軒に達している。2023年に創業した書店は53軒を数える。本の定価販売を定めた協定が90年代に崩壊し、アマゾンの登場、電子書籍の急速な普及やリーマンショックを受けて、書店は減り続けた。コロナ禍でも、ロックダウンによる長期閉業に加え、流通の問題で本の仕入れが滞るなど大きな打撃を受けたが、その一方で、ロックダウン下で読書の楽しみを再認識した人、突然できた休みを利用して人生を考え直し、書店を開くという夢を叶えた人も少なくなかった。 自身も書店主でBAの書店開業講座の講師を務めるパトリック・ニールは、昨今の書店ブームについて、 エシカル な買い物を重視する消費者がアマゾンを敬遠するようになり、デジタルネイティブの世代が紙の書籍の魅力を発見しているからだと指摘する。思いがけない本との出合いを叶えるセレクトとテ�.