食を通じて社会問題に向き合うマッシモ・ボットゥーラは、「世界で起きている問題の根底には、既成概念で物事を見ることによる、社会の分断がある」と語る。加藤峰子同様、彼のもとで学んだジェシカ・ロスヴァル(加藤とは元ルームメイトでもある)が、友人のキャロライン・カプリオッシとともにイタリア・モデナで行うプロジェクトが、今年6月、「世界の ベストレストラン50 」で「チャンピオン・オブ・チェンジ賞」を受賞した。 イタリアで増え続ける難民や移民、中でもシングルマザーの就職率は極めて低い。「社会で最も弱い立場」の彼女たちに無料で 料理 の職業訓練を行い、訓練修了後に母国の料理を、研修先でもあるレストラン「ルーツ」で数カ月間提供してもらうというプロジェクトだ。女性たちの実地訓練というだけでなく、ゲストからすると、アフリカや中東など、目新しくエキゾチックな料理を楽しむことができ、双方にメリットがある。目指すのは、人々の視点を変えること。「難民・移民は差別されるべきではなく、その独自の文化を持ち込むことで、私たちの文化をより豊かに�.