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9月8日(現地時間)、 トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER) が2025年春夏コレクションを発表した。 昨シーズン は、グランド・セントラル・ターミナルのレストラン「オイスタバー」でニューヨーク・ファッション・ウィークに復帰したが、今シーズンはマンハッタン最南端の港へ。サウスストリート・シーポートのピア17にある退役した船「MV ジョン・F・ケネディ号」の上でショーが開催された。 ショーの招待状は、ずっしりと重たいトミー ヒルフィガー仕様の真鍮色のコイン。それは1997年にスタテンアイランドまでのフェリーが無料化されて以来、今はなきフェリー専用のコインを再現したものだった。 この船は、1965年から2021年までマンハッタンとスタテンアイランドの間を運航し、2年前に「サタデー・ナイト・ライブ」のコリン・ジョストとピート・デヴィッドソンが購入したことでも話題になった。 1985年の創設以来、ノーティカルなライフスタイルのインスピレーションを再考し続けながら、シグネチャールックを定義してきたトミー ヒルフィガー。今シーズンは、クラシックなプレッピーを踏襲しながら、ブルトンストライプのセーター、フィッシャーマンセーター、ピーコート風のトレンチコートなど、セーリングの要素から着想を得たアイテムを前面的に打ち出した。 昨シーズンに引き続き、カラーパレットにベージュを採用しているのが印象的だ。モダンな雰囲気を演出する一方、ブランドのシグネチャーであるレッド、ホワイト、ブルーのマリンな配色がコレクションを彩っていた。 一つひとつは見慣れたようなアイテムだが、コートやセーターは肩を落としたオーバーサイズに仕上げられ、トラウザーはローライズでリラクシングに。カーディガンはクロップド丈に上げられていたりと、今の時代に応えてエフォートレスにアップデートしていることに気づく。 会場には、BLACKPINKのジス、Stray Kidsのフィリックスとリノ、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴、若井滉斗、藤澤涼架など、音楽シーンのアイコンたちの姿も。会場となったフェリーまでの道のりは彼らを一目見ようと多くの人が集まっていた。 ショーのフィナーレでは、ウータン・クランのメンバーでニューヨークのスタテンアイランド出身である、ゴーストフェイス・キラー、メソッド・マン、レイクウォンがフロントロウから立ち上がり、マイクを持って生ライブをスタート。ブランドのDNAである音楽との親和性をたたえた。 トミー ヒルフィガーは、40年近く、ノーティカルなスタイルを継承しつづけ、幅広い人々に愛されるアメリカンブランドとして地位を築いてきた。そのクラシックであり続けるという姿勢は、気まぐれなニューヨークでも変わらないものがあることを示している。 ※トミー ヒルフィガー 2025年春夏コレクションを全て見る。 Text: Maki Saijo.

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